いとうせいこうさん
この前の日曜日。
「笑っていいとも増刊号」を観ていたら、テレフォンのゲストに「いとうせいこうさん」が出てました。
いとうせいこうさん、って、どんなイメージ?
「いいとも」でも、植物が話題になっていましたが、私の中では、ここんとこ、すっかり「植物好きの文化人」なイメージが定着しています。(以前はそうじゃなかった。マニアックな深夜番組のイメージ。雑学王の司会者の人・・・)
きっかけは、「ボタニカル・ライフ」という本でした。
これ、初版が2004年のエッセイ。気づけば、フツーに使っていた「ベランダー」という言葉も、最初に使ったのは、いとうさんだそうです。
ベランダーのいとうさんは、ベランダを観賞する、とか、緑で満たしたい、とかいう目的で植物を育てているのではないのです。ベランダ・ガーデナーじゃなくて、ベランダー。園芸家じゃなくて、植物愛好者。
心をとらえた植物を育て、不思議を楽しみ、観察し、そして枯らし・・・まさに、植物と一緒に暮らしている・・・というようなことは、本を読んでいただけばわかることなのですが、とにかく。愛と屈折に満ちた、植物との暮らしが綴られています。
いわゆる、園芸ってすばらしい!っていう内容ではないし、正しい知識が習得できる、といった内容でもないのです。でも、なんだか気分が楽になる本。そして、植物への興味がふくらむ本。
植物に接することに慣れてない初心者も、頭がちょっと固くなったベテランも、ぷぷっ、と笑いながら読めば、植物との接し方が、ちょっと変わってくるんじゃないかな、と思う。
そんなこんなで、これ、私が読んで面白かった1冊。文庫本になっています。新潮文庫、590円。