皇帝の話

  モミジの赤や、イチョウの黄色。 
花よりも、葉色の変化が注目される、誰もが何となく風流な気分になるこの季節でございますが。
 青空に向かって、どどーんと咲き誇るコレ。 美しいピンク色をしたコレ。 ちまたで見かけたことのある方は、いらっしゃるでしょうか。
 これ、夏の写真じゃありませんよ。
 11月中何度も、見知らぬ人に「あれ、なんの木?」と、声をかけられました。 
 多くの人は、この季節に合わない感じの、花のすがすがしい感じと、背の高さにぎょっとするようです。 
 えー、これはデカいですが「木」ではありません。 正真正銘の「草花」です。
 名前は「皇帝ダリア (=木立ダリア) 」。 「ダリア」なのですよ、ダリア! 
 生長すると、3〜4mにもなる大型の種類でありまして、こちらのお宅では、屋根にかかってます。
 でっかくなったコニファーと肩を並べるダリアの図。
 草花ですので、ある程度の高さになったら、支柱か何かで支えてあげないと、直立しにくいと思いますが、木に負けない迫力と、名前からも漂う品格。
 で、ダリアなのに、なんで今頃咲いてるのか? というと、皇帝ダリアは「短日植物」なのです。
 おそらくは、小学生の頃に耳にしたことのある「 電照菊(デンショウギク) 」のことを思い出していただくと、記憶の片隅に・・・。
 このダリアは菊と同様で、自然に育てると、日中、陽の当たる時間が短くならないと、花が咲かないのです。 コスモスなんかも、一緒ね。
 だから、外で普通に育てると、自然にお花が咲くのは11月なのです。
 原産国は中米、メキシコとかなので、勝手に「季節感がない」とかいうのも失礼な話。
「お花が少なくなった、11月ならば、咲いてあげてもよくってよ」 とでも言っていそうな・・・まさに「皇帝」ダリアなのでした。
 。。。。ところで、「リャンガーコウテイ」って聞いたことある? これ「餃子2人前」って意味なの、知ってました? 
 夫が、つまんないダジャレで使うたび、世界史に弱かった私は、「やるな夫・・・・」と思っていたのに。
 この皇帝ダリアの話で、リャンガーコウテイは「リャンガー皇帝」でないことを知りました。
 衝撃の11月。