本州も、ちょっと「リラ冷え」

niwazou2009-04-24

 その昔、「リラ冷え」という言葉を聞いて、きれいな表現だなぁ、と、ヨーロッパの風景を妄想した記憶があります。
 先日、とあるお宅の庭先で見かけて、ふと思い出したのです。 青空をバックに美しく咲く、写真が「リラ」。
 そう。 「リラ」=「ライラック」なのです。 
 日本では、サクラの咲く頃に、急に冷え込むのを「花冷え」と言ったりしますが、ライラックが“市の花”でもある札幌では、それより1ヶ月くらいあとに咲くライラックの季節に、「リラ冷え」という言葉があるのですね。 
 「リラ冷え」って、日本の季節を表す言葉だったのだ。
 東京近郊では今、4月のおわり、ライラックが満開です。
 近づくと、よい香りがするし、ウチにも1本欲しいわ、と思う気持ち、よーくわかります。 このお宅みたいに育つと、ほんとにきれいですよね。
 が、「うまく育たないわ」という相談も、何度か受けたことかあります。
 「買ったときは咲いていたけど、お花が咲かない」とか、「大きくならない」などなど。
 前提として、もともと涼しい気候が好きな木なので、育つ環境は考慮する必要がありましょう。 込み合った、日の当たらない場所は向いていません。 
 また、高温多湿な環境が生理的に合っていないわけだから、できるだけ“暖地向き”の品種を選ぶことも必要です。 
 「お花が咲かない」については、ライラックには「隔年開花」の傾向があるようです。 1つの枝に、たくさん花が咲くと、翌年はほとんど花がつかない、というような状態になりがち。
 これを毎年咲くようにしたい、という場合は、花の咲く枝数を調整する(減らす)ことが必要になってきます。
 開花が間近になったら、もったいないけど、全体の形を見ながら、枝を間引いて、枝数を減らすんです。 想像しただけでも、ああ、モッタイナイ、と思うけど。
 それと、花がらつみも大事。 花のあとに実がつくと、やっぱり翌年、花つきが悪くなるから。
 そんなことを、ちょっと念頭において、とりあえず今年は、花の後の作業にトライしてみて下さいませ。
 ちなみに、ライラックの和名は、「ムラサキハシドイ(紫香花)」です。