赤いトゲと、子規と
バラの枝を誘引しているとき、夏に伸びたこの新しい枝を見て、短歌を思い出しました。
「くれなゐの 二尺伸びたる 薔薇の芽の 針やはらかに 春雨のふる」 ってやつ。
確か、正岡子規の歌だったよなぁ ・・・ 小学校か中学校か、覚えてないけど教科書に載ってた。
記憶をたぐりよせると、「くれなゐ=紅色」 は花の色じゃなくて、新芽の先っぽが赤く色づいてるところで、「やはらかに」 は、針(=トゲ)と春雨の両方にかかってて ・・・
と、解釈に混乱した覚えのある一句。 昔はまず 「どういう意味?」 を知らなきゃいけなかったからなー。
春雨が静かに降ってる、まだバラの開花には遠い3月(くらい?)。 庭のバラの枝から、ほんのりと赤く色づいた芽が力強く吹いている。
お庭や植物をよく見るようになった今は、情景がぼわーんと浮かんできます。 病の床から見ている子規の姿も浮かんできて、心にしみます。
NHKの 「坂の上の雲」 を見たのも影響してるかしらね。 香川照之、まんま、子規だったねぇ。
さて、写真のトゲに戻りますが。 新しいものは確かに、見た目だけでなく触っても柔らかいです。 色が赤いのは 新芽と同じような理由で、出来立ての赤ちゃんだからかしら?
よく観察すると、新芽の芽吹く前にトゲはすでにできてる。 茎と一緒にできてるから、茎の一部。
だから、古くなった枝の、色の変わったトゲをポキポキとり除いても大丈夫だけど、この赤い段階ではそっとしておくのがいいかと思います。 できたての茎の一部だから、生傷は作らない方がいいです。
人間や動物に限らず、 「赤」ちゃんには丁寧に優しく接しましょう、ってことですね。