永田農法のこと 1

niwazou2011-10-11

 今日は、バルコニーの野菜作りでたびたび登場している 「永田農法」 の紹介をしようと思います。 初めて聞く、という方のために。
 永田農法というのは、簡単にいうと 「必要最小限の水と肥料で植物を育てる」 方法です。 
 具体的には 「栄養分のない土」 を使って、「水と液体肥料のみで育てる」 やり方。 (永田照義さんがはじめたから、永田農法)
 まず、土のこと。
 一般的には、堆肥や肥料など栄養分をたっぷり混ぜた、いわゆる 「いい土」 を作るのが野菜を上手に育てるコツと言われますが、永田農法では土には、あらかじめ肥料などは与えずに始めます。
 畑ならば、耕すだけ。 我が家のような土のない場所で作る場合は 「日向土(ひゅうがつち)」、「赤玉土(あかだまつち)」、「軽石(かるいし)」 といったようなものを買って来て、鉢やプランターなどに入れるだけ。
 「トマトを収穫する前に数日お水を控えると味が濃くなる」、 みたいな話を聞いたことはありませんか?
 あの考え方に近くて、厳しい環境 = 「やせた土」 で作ることによって、植物が本来持っている力を最大限に引き出すことを狙ったやり方なのです。
 結果、栄養価が高かったり味が濃かったり、おいしい作物ができる、というのも魅力ですが、私が永田農法を始めた最大の関心事は、「土の処理の問題」 がクリアできるかも、と思ったから。
 ベランダやバルコニーといった環境でコンテナで野菜を作るとき、苦慮するのは土の問題。 土を買って来て運んで、というのも大仕事ですが、もっと困るのは使ったあとのことです。
 病気が出たりして処分せざるを得ない場合、捨て場所に困る。 リサイクル材などを使って極力、使い回していきたいところですが、それも手間のかかることです。
 しかし、永田農法で使う土、たとえば日向土や軽石ならば、粒が大きいぶん、使い回しが容易なんじゃないかと思ったわけです。
 左の写真は、夏に日向土を使って育てたトマトの根っこです。
 細い根がいっぱい出て、ふわふわです。 でもって、根っこを抜いた後の土を見てほしい。 何だか新しい土のように見えるでしょう? 根っこの土離れがとってもいいのです。
 実際は、切れた根っこが土の中に残っていますが、それも土を掘り返すとわりと簡単にとり除けます。
 永田農法で育てた野菜は、細い根っこがたくさん出ます。 で、日向土や軽石は、粒が硬くて崩れないから、根っこが離れ易いのです。
 (明日に続く)