バラとオベリスク
豊島区・M邸のバルコニーには10種類以上のバラがありますが、中に同じバラが3本。「アルテシモ」 という赤いつるバラです。
亡くなった奥様はこのバラが好きだったのかなぁ、と思っていたのですが、作業後Mさんとお話ししていたら、
「あの人は増やすが好きであっちこっち挿すから、同じものがいっぱいあって」
ああ、そうか。 そういえば、小さくて水枯れしてしまったアルテシモもあったし、挿し木で大きくなったものもあるのかもしれない。
でも、増やしたいってことは、要するに好きだってことよね。
場所は変わって、バルコニーではなく玄関脇には、「オベリスク」 にアルテシモが絡んでいる。
これはぜったい挿し木で育ったのではない、ここに植えられてから何年も経っている古株。
気にはなっていたものの、諸事情により毎年、太い枝は以前に誘引したものを触らずにお手入れしてきましたが ・・・ ええいっ、ままよっ。
今年は枝をぜーんぶオベリスクからはずして、誘引し直しましたが、これが予想どおり難儀でした。
アルテシモというバラは、「強健で育てやすい品種」 と紹介されていますが、この 「強健」 がポイントで、枝、太くて曲がりにくいのだ。
剛直。 ついでにトゲも強い。 誘引時に油断してると、枝がビシっと跳ね返ってきて、うっ、てことになりかねません。
曲がりにくい枝を、ゆっくりゆっくり曲げていくのが一苦労なのです。
ぶっちゃけ、このオベリスクにアルテシモは厳しい。 高さは2m近い大きなオベリスクだけど、枝が曲がらないんだもん。
とはいえ、枝に鞭打たれつつ?がんばりましたよー。 上の写真との違い、わかるかしら?
作業前は上の方にしか花が咲かなかったけど、低い位置にも花が咲くように、頂上部分まで枝を回さないように、と、いろいろ考えつつ。
つるバラを育ててみたいけど適当な場所がない場合、オベリスクで仕立ててみるというのもいいですが、仕立て方に向き不向きがありまする。
品種は慎重に選ぼう。