山野草の花壇
台東区のTさんのお宅。 ビルの10階には2つのバルコニーガーデンがあるのですが、こちらは山野草がメインのお庭なんです。
今回のお手入れは、春支度。 広い花壇にある植物ほとんどが宿根草なので、芽出しの邪魔になる咲き枯れた枝を除いたり、肥料をあげたり、主にはそんな作業です。
しかし、春っぽくなったとはいえまだ寒々しい花壇。 季節の花をちょっとだけ植え足そうということで、苗をいくつかお持ちしました。
いま、色とりどりの春の花がいっぱい出ているけど、この庭には華やかな洋花っぽいのは似合わない。 春だけど、ちょっと渋さがないとねぇ、とお花選びにはちょっと悩みました。
選んだひとつは、これ。 学名は 「Viola labradorica Purpurea」。
「紫式部」 という名前で流通していますが、北米原産の宿根ビオラ。 舶来ものですが、たたずまいは 「スミレ」 っ感じでしょう?
ビオラとかパンジーとかスミレとか、似たようで名前の違うものが沢山あってややこしいけど、大きな分類は全部ビオラです。 その中でほとんど改良されてなくて、原種に近いものを特にスミレと呼ぶ、と考えればいいかと。
話がそれましたが、紫のお花に銅葉が印象的な紫式部です。 これ、お花がない時期もカラーリーフとして楽しめると思います。
さて、このような宿根スミレ。 宿根というからには、放置しておいても永久に毎年咲き続ける、と考えがち(というか、そう思いたい)ですが、お庭にあったものが、気づいた時には消えていた、という経験はないでしょうか?
原種系のスミレ、こぼれダネでも増えていきますが、もとの株は3年くらい経つと弱ってきますので 「ゼッタイ、絶やしたくない」 と思ったら、種を採って新しい苗を育てるなど、次々に新しい株を作っていく必要がありますので、ご注意を。
もうひとつ、この白いのは 「フッチンシア」。
ラベルには 「アルプスのお花畑」 とか書いてありましたが、見た感じ道端のナズナを、ちょっとこ綺麗にした感じの ・・・ 愛らしい花です。
お花がスイートアリッサムとそっくり。
それじゃあスイートアリッサムでいいんじゃないの? という声もきこえそうだけど、葉っぱが違うのよ、葉っぱが! と、小さなこだわりを見せながら選んだわけですが。
これも原産はスイスですが、気づけば日本とか外国とか関係なく、そのへんに自然に咲いてそうなものばかりになりましたー。
当初のイメージどおり 「枯れ葉の大地から可憐な早春の草花が顔を出しました風」 に仕上がりましたので、良しとします ・・・・。