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柴門ふみさんの作品2冊。
「花の名前」は、向田邦子さんの短編集を、柴門さんが漫画にしたものです。原作を読んだのはもう20年近く前?なので、細部は忘れていましたが、イメージ崩さずに上手に漫画にしているなぁ、と関心しながら読みました。
で、なんで漫画なのか、というと。
「ツワブキ」という花の名前を知ったのは、そういえばこの「花の名前」だったなー、と思い出したからです。
中年夫婦の話。誰でも知っているような、花の名前さえ知らない野暮な夫に、妻はいろいろなことを教えてきたが、あるとき夫に愛人がいることを知る・・・
この先の内容はさておき、この愛人の名前が「ツワ子」でした。妻は「ツワブキ」の「ツワ」子なのか、と考えるのです。
「ツワブキ(石蕗)」の花、思い浮かびますか? 植物に詳しい人も、どちらかというと「葉」の方が印象的ではないでしょうか。 日本庭園ではおなじみ。家の隅、日の当たらない場所に植えられていることが多い、いわゆる「下草(したくさ)」です。
お庭では、主役として使われることは、ほとんどありませんが、濃い緑の、大きくて丸い葉はなかなか個性的です。葉には緑一色のものから、写真のように白い斑や、縁取りの入ったもの、黄色いまだらのもの、といろいろな種類があります。変わり葉には熱心な愛好家もいて、ひと株何千円もする高価なものも。
地味で、洋風の庭には合わないと思われがちですが、中でも、下の白い斑のものはすっきりとしていて、意外にどんな植物とも合います。葉の面積が大きいので、他の植物は育ちにくい日陰の広い場所、土の部分を隠したりしたいときに重宝です。 主に「葉モノ」として扱われるツワブキですが、黄色い花も菊のようで鮮やかです。上手に使っているお庭を見ると、「やるな・・」と思わせるイキな植物です。
葉の黄色の斑点がはっきりした種類は、くどい感じになるのでちょっと注意。
ところで。もう一冊の「華和家・・」に深い意味はないのですが、登場人物の姉妹が「藤子、竹美、桜子、うめ」とみんな植物の名前なんです。そしてこれ、そのうちドラマになるぞ、と思っている・・今、キャスティングを考えています(←バカです)。