niwazou2008-06-23

これは、お弁当の中の、仕切りに使われていた「バラン」です。 
 名前を知ってるはずなんだけど、なかなか思い出せないものの1つじゃないかい?(・・・版画のときに使うやつ、あれは「バレン」でしたっけ?)。
 と、このバランは、ビニールでできていますが、このギザギザが、何かの葉っぱを表現していることは、何となくわかります。
 そう、「バラン」は「ハラン」の代用品なのです。 漢字で書くと「葉蘭」です。
 下の写真の奥にある、地面からいきなり生えてるみたいな葉っぱ、どこかで見たことありませんか? これが「ハラン(葉蘭)」。 
 背丈はだいたい、腰のあたりまである、大きな葉っぱです。
 通常、目にするのは、ホントに葉だけなので、記憶には残りにくいかもしれませんが、昔っから、家の裏手の、陽の当たらないようなところに植えられていました。 
 古いおウチのまわりを注意して見ると、案外、すぐに見つかったりします。
 ビニール製品なんか普及していなかった頃は、こんな植物を、料理の間仕切や、飾りに使っていたのですねー。 なぜに、ハランが「バ」ランになったのかは、不明ですが。
 実際に使われてるものを見た記憶はないけど、お寿司屋さんなんかで使われるとき、葉蘭は主に関西で、関東では「隈笹(クマザサ)」を使うことが多い、とか。
 いずれにしても、植物の葉は、お料理を包んだり、美しく見せるために効果があるわけです。
 ですが。
 「何でも使えるわけじゃないから、気をつけなきゃ」と、改めて思ったのが、先日の「アジサイの葉っぱを食べた人が、中毒症状に」、というニュース。
 お料理やさんは、アジサイの葉が有毒であることを知らずに使い、それをお客さんが食べちゃった、ということですが、驚きました。
 アジサイの葉が有毒とは、私も聞いたことがありませんでしたから。 
 季節感を出そうと、飾りとして出したのかしら? と思いますが、お料理についてると「食べられるの?」と思ってしまう気持ちも、わかる。 桜餅の葉っぱだって、そのまま食べられるもんね。
 しかし、アジサイに限ったことではありません。 身の回りの植物には、有毒植物、いっぱいあるのです。
 「キョチクトウ」しかり、「エゴの木」の実しかり。 「水仙」の葉っぱや「アセビ」だって、そう。
 でも、自然の中で暮らす虫や動物は、「自分にとって有毒なもの」を見分ける力を備えていて、そういうものは、ます、食べません。 カタツムリは、アジサイの葉っぱは、食べないですもんね。 
 そういう力のない私たちは、やたらになんでも食べてみるのは、やめたほうがよい、ということですね。