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今日もまた、ギャラリー「無垢里」の話になりますけど。
どこに行っても、庭を覗かずにはいられない、ちょっと見、怪しい人の私。
右から左から、近くから遠くから。 この度も、建物ともども、舐めるように庭を拝見してまいりました。
お店の前の、ちょっとしたお庭の造り、しみじみとようございます。
石と、植物。 木製のベンチ。
新しいデザインや、珍しい植物はないのです。 でも、植物どうしに、造りたての空間があって、「さあ、ご覧なさい!」 という押しつけがましさのない、ここは、「建物を引き立てる庭」。
「建物を引き立てる」って、言うのは簡単なんだけど、「庭を造って、景色を造らず」っていうのは、ままあることなんですよ。
張り切って造っちゃって、ゴテゴテうるさい庭になっちゃった・・・ってこと、ないですか?
「建物があって、庭がある」、「建物を感じよく見せてこそ、庭である」、ものですよね、本来。
人さまの庭を造る立場の私としては、これは特に、気をつけなきゃなりません。 でも庭のことばかり考えちゃって、途中、頭から抜けちゃってることも、ある・・・。 木を見て森を見ずとは、こういうことを言うのよね。
しかし、ここは、大事なことがちゃんとできてる、とお見受けする庭。
石と植物に覆われた地面が、それを物語っております。
右の写真の、足元の植物は、手前から、「アジュガ」「ヤグルマソウ」「ギボウシ」。 いずれも、葉の美しい植物です。
盆栽なんかもそうだけど、「足元が美しい」ものは、全体を美しく見せます。 庭を造るときも、ポイントのひとつです。
どんなに多彩な植物を並べても、高級なガーデンテーブルを置いても、植物の足元がスカスカだったり、地面の土がむき出しになってたりしたのでは、仕上がりのイメージは半減です。
あ、人間も一緒か。 どんなにきれいな格好してても、靴がヨレヨレしてると、あれっ?って思うもんね。
何事も、「美しさは足元から」なのです。