ピンクのアジサイ、青のアジサイ

niwazou2009-06-09

 最近、クイズ番組が多くて、何度かネタになっているのを観た覚えがあるんだけど。
 「アジサイの花色は、土のPH (酸性寄りか、アルカリ性寄りか) で変わる」 という話、聞いたこと、ある?
 こう聞くて、ウチの青いアジサイ、今年からピンクにできるの? すごーい! と思ってしまいませんか??
 極めつけに、 「ヨーロッパでピンク色のアジサイを、日本で植えると青色になるんですよー。 日本は火山性の土壌だから、酸性の土で、うにゃうにゃ・・・」 なんて、PH(ペーハー)の話なんかされたらば、もう、この情報は疑う余地なし、って感じになってしまいますね。 
 でも、それ、ちょっと、無理。  この話には、正しいところもあるけど、正確でないところもあるから、説明はもうちょっと、丁寧にする必要があります。
 アジサイの色の出方は、基本的には、その個体の持っている性質次第。 だから、写真のような、もともとピンクのアジサイが、完全に青色に変わることはないし、その逆も同じ。
 ただし。
 土が弱酸性(PH5〜6くらい)だったら、青色のアジサイは、自分がもともと持ってる色を、きれいに発色するし、ピンク色のアジサイは紫っぽい色になります。
 土がアルカリ性に傾けば(といっても、中性のPH7ぐらい)、青色は薄くなったり紫がかり、ピンク色はきれいなピンクになります。
 つまり、青いアジサイは弱酸性の土、ピンクのは中性・弱アルカリ性の土だと、自分の持ってる美しい色を、最大限に表現できる、っていうこと。
土の調整が、きれいな色を出すのにつながります、という話です。
 年々、品種改良が進んで、アジサイもいろーんなタイプのものが登場しているので、秋まで咲いて、自然に色が変化していく、なんていうのもありますから、そうなると、土がどうこうという問題ではないのですが。
 ま、なんでもやってみないとわからないから、「毎年咲いてる青いアジサイの、色をちょっと変えてみたい」 と思ったら、来年に備えて、冬の間に、それ用の土作りに挑戦してみるのも、いいですね。
 たぶん、赤みがかかって、紫っぽくはなると思われますよ。
 それじゃあ、白いアジサイはどうかというと、白は、花色にかかわる「アントシアン」を、もともと持っていないため、どんな土でも白いままです。
 さて、最初のピンクのアジサイは 「ミセス・クミコ」 という名前です。
 花びらが、カーネションみたいにヒラヒラとした、母の日なんかに人気の品種です。 優しいピンク色ですよね。
 「クミコ」 は、この品種を育種した方の、奥様の名前だそう。 愛妻家だなー。 この花のイメージからだと、ふんわりと柔らかく、優しい女性を想像しますね。