五感の記憶
ああ、疲れた。
先ほどまで、テレビを観ていたの、TBSを。
「名曲歌謡史・昭和と平成のベスト50」 ですって。 何気なく観ていたのに、気づけば2時間、熱唱していた私。
最近、車の中くらいしか歌う機会はないし、年々、歌詞には頓着しなくなってるけど ・・・ 歌えるもんですねー、昔の歌は。
歌と一緒に、当時の雰囲気とか出来事がふわーっと浮かんできたりします。
これと同じようなことは、お庭のことでも、よくあります。
新しくお庭を作る打ち合わせをしてるとき。 「何を植えたいですか?」 という話になると、意外な植物の名前が出てきたりします。
「グミの木はダメですかねぇ?」
「コデマリ、生垣にできませんか?」
こんな感じ・・・ と、イメージで話していた施主さんが、突然、特定の木の名前を挙げたりする場合、子供の頃の記憶と関係していることが、多いのです。
聞けば、実家にグミの木があって、大きくてきれいな実を採って食べるのが楽しかった、とか、お母さんがコデマリが好きで、たくさん植えてあった、とか。
そういう植物は、季節を知らせるものであったり、香りがあったり、実が食べられたり。
五感の記憶から、楽しかった頃の情景が浮かんでくる、そんな感じでしょうか。
子供の頃に経験してきたことって、ずーっと残っていくんだなぁ・・・。
で、写真は、「ホトトギス」 です。
今日、S邸のお手入れに行くと、ちょうど咲き揃っていました。
毎年、この時期になると登場しているのですが、株が大きくなった今年は、とりわけきれいです。
香りもないし、華やかさもないけれど、ちょっと日陰気味で、しっとりした場所に咲く姿は、S邸に秋が来たことを知らせます。
毎年、同じ頃に、同じ場所に咲く花。
S邸に住むTくんの記憶に、この花は残っていくかしら? 地味だけど。