李さんの器 (2)

niwazou2010-05-12

 「レンゲソウ」 の描かれたお皿があったので、「韓国でも、春はレンゲ畑が広がってたりするんですか?」 と聞くと、「韓国では、そんな景色は見たことないです」 と、いうことです。
 韓国と日本、気候も似てるだろうから、同じように考えてしまうのですが、李さん出身の 「釜山」 は都会。  田んぼなんかほとんど見かけなかったらしく、東京に来て、街中にちょこちょこ畑があるのに驚いたそうです。
 いやいや、聞いてみるもんですね。
 右のお皿のは、早春に野山に咲く 「カタクリ」 。
 ほんじゃ、カタクリは? と、しつこく聞くと、李さんが描く植物は、どれも日本に来てから見たものなんだそうです。 
 特に深い理由はなく、韓国に住んでた頃はまだ若かったから、当時は野の花とか、目立たない植物に特に感心がなかったから。 
 今だから、ぱっと目を引くものじゃなくて、野の花を描く ・・・ああ、なるほどですね。
 私とて、20代の頃は、華やかな切り花にしか目がいってなかった気がするもの。
 しかし、私。 描かれてるのは、日本でなじみの野の花ながら、個人的にはやっぱり、いわゆる和食器と、どことなく違う印象を受ける、李さんの器。 
 これは、韓国出身の作家さん、という先入観のせいなのかしら?
 ドラマは 「チャングム」 くらいしか見てないし、生活も文化も、ほとんど知識を持っていない私が言うのもなんだけど、どことなく、異文化の匂い。
 和のようで、和でない ・・・ というのは、見る人によって、感じるところが違うと思いますが、植物の絵柄が入っていても、一緒に飾った植物の邪魔をしないし、不思議な魅力の器であることは、確かです。
 と、花台やお皿の話がメインになりましたが、他にもコーヒーカップや急須やお湯のみ、と日常使いできる器も揃っておりましたですよ。
 見た目より、持つと軽く、日常の食卓にも合う親しみやすさを感じました。
 李さんが器を作っていらっしゃるのは、岐阜県の 「青山窯」 というところです。