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ホームセンターに、いろんな形の 「つりシノブ」 がぶら下がってました。
写真のは、「井桁(イゲタ)」 の形。
井桁というのは、井戸を上から見た形を図案化した模様です。 絣(かすり)の着物の模様にもなってるし、あ、電話にもありますね、#マーク。
このほかにも、屋形船とか、灯籠(とうろう)とか、いかだとか、いろんな形のつりシノブがあります。
きのうの作り方によると、土台を工夫すれば、いろんな形に作るのが可能なわけです。
つりシノブの起源は、江戸時代までさかのぼりまして。
庭師さんが、契約先のお宅へお中元代わりに配った 「しのぶ玉」 と呼ばれる球形のものが、始まりです。
職人ならではの、粋な贈り物ですよね。
ところで、この 「シノブ(忍)」 という植物。 実物を見るとすぐ思い当たりますが、シダの仲間です。
特徴は、この太い根茎。
毛が生えたみたいな質感の太い茎が、細い根っこで木や岩に張りついて育っていく 「着生植物」 です。
だから、一般の植物のように、土に植えてやらなくても育ちます。
丸いつりシノブは、「コケ玉」 を吊るしてるように見えるけど、中に土は入ってないの。 ぶら下げるから、重くしないことが大事だし。
左の写真の茎から、「ぜんまい」 みたいなものが出てきて、葉になっていきます。
年数が経つと葉がいっぱい出てくるから、ふっさふさになる、はず。