バットグアノの話 その1

niwazou2011-01-13

 「バットグアノ」 です。 つまりこれは、“コウモリのふんを原料とした肥料” です。
 こちらに引っ越してくる前に住んでいた家の話ですが。
 新築して1年経った頃、2階のベランダに出てみると、壁際の隅っこに、黒いものが点々と落ちていました。 
 粒の大きさはせいぜい2mm程度。 虫ではなさそうだし何かのフンみたいです。 鳩やカラスのフンくらいは何となく想像がつくけど、これはいったいナニ?
 その黒い粒々は日に日に量が増え、気づけば山盛り。 ベランダ以外でも、屋根のかかった場所の角々に、何箇所も黒い山ができ始めました。 
 近所の人に聞き取り調査? したところ、フンらしきものの正体は、「コウモリ」のだ、と思われました。 
 コウモリか。 どうりで姿を見かけないわけですが、寝室にくっついたベランダに、夜な夜なコウモリがぶら下がっている図を想像すると ・・・ フンの始末の煩わしさもさる事ながら、ぞぞぞ、とする日々。
 しかし、フンは所詮、フン。 片付ければ済むことです。 後日、そんなことより恐ろしい出来事がありました。 
 当時、自宅で校正を仕事としていた私が、締め切りに追われ、半泣きで原稿を読んでいた深夜2時ごろ。 一瞬、頭の上を、ものすごいスピードで何かが飛んでいったのです。 
 えっ? と振り返る間もなく、周りをビュンビュン何かが飛び回っている! でも、早すぎて、正体がわからないっ。 た・助けてぇぇ!!!!!!
 パニクった私、這うようにして階段を昇り、2階で寝てる夫をたたき起こして状況を説明するころには、謎の飛行物体は姿を消していました。
 「アンタ、寝ぼけてんじゃないの。 いっつも、ギリギリなんだから・・・」 仕事のやり方にまでケチをつけられ、ふんだりけったりですが、飛び方から考えると、そりゃコウモリだろう、と。 
 コウモリって、反響音を利用して飛んでるからぶつかったりしないんだ、というようなマメ知識まで披露していただきました。
 しかしですね。 戸締りして侵入場所もなさそうな深夜にですね、なぜに家の中を飛ぶの? そして、いったいどこに行ったのさ。
 そのような疑問を残して消えたコウモリ。 その後、年に2・3度は、屋根裏の物置やトイレの便器の中やら、さまざまな場所でご臨終の状態で発見いたしました。 見つけるたびに腰を抜かしそうになっていた数年間。
 エアコンの修理に来てくれた電気屋さんにこの話をすると、「換気扇から入るのかもね」 という話でした。
 このベテラン電気屋さん、あるお宅で古いエアコンの効きが悪いというのでカバーを開けてみたら、いっせいにコウモリが飛んで出てきた ・・・ という恐怖体験も披露してくれました。
 ああ、おそろしやコウモリ。
 当時、ネットで駆除方法を調べると 「コウモリは益鳥です。保護しましょう」 という回答ばかりでしたが、最近では検索すると結構ヒットします。 世の中、日々変わっていくものなのね。  (明日に続く)