日陰でこそ、輝く木

niwazou2011-03-01

 お庭の学校の授業で、ある先生が(男性) 「昔住んでた家は、和式のトイレにしゃがむと、ちょうど目線の位置に窓があって、南天ナンテン)を見ながら用を足してた」 と言いました。
 昔の家、トイレは北側に位置する場合が多くて、似たような記憶がある人もいるんじゃないかと思いますが、その話を聞いて以来、南天を見ると、私たちの頭にはT先生がトイレにいる図が浮かぶ。
 今も、集まるとその話が出てきたりして。 軽くトラウマです。
 この南天と同じように、日の当たらない場所によく植えてあったものに 「ヤツデ(八手)」 「アオキ(青木)」 などがありますが。 写真はアオキです。
 南天やヤツデほど特徴がないから、記憶に残りにくい気がしますが、昔も今も、そこいらにいっぱい植わってるアオキ。 今こんなふうに、赤くてつやつやした実ができているのですよ。
 アオキに赤い実? と驚かれる方もいるかもしれない。 無理もありません。 アオキの木は “雌雄異株”。 オスとメスがあって、こんな実をつけるのは 「メス」 だけです。
  最近、お庭などで使われるのは、アオキの中でも、左のような 「斑入り」 のものが多いのですが、このタイプはそもそも実つきがよくない。 だから、メスの木であったとしても、実は見られない場合が多いです。
 斑入りタイプをお庭に植えるときは、「葉を楽しむもの」 と割り切りましょう。 実のつくものが欲しい場合は、今の時期に、実のついた株を買うのがいいと思います。
一方、オスの方は今こんな感じです、つぼみ。 一見立派そうですが、花はちっちゃいです。 で、実はつかない。
 さて、「斑入りを買ったのに、斑がきれいに出ない」 という話を聞くことがありますが、それはたぶん、日が当たりすぎ。
 アオキは、相当に日陰でも育つ木であり、直射日光には弱い木なので、葉先が焼けたりもします。 葉を美しく保つためには、植え場所に注意です。
 模様もだけど、本来の葉のツヤも、日陰の方がきれいに出ます。 日陰でこそ、輝くアオキです。