ゴールドクレストの10年

niwazou2011-04-08

 帰省していた際に、かつてご近所だったNさんから 「遊びに来て」 とお誘いを受け、何年かぶりにお宅に伺うと、庭先にこんなものがゴロンと。
 「これねー、もう、うっとおしくて。 さっき抜いたのよ。 こんなに大きいのに、すーぐ抜けたわ。 おほほほほ」
 と、ほがらかに笑うNさん。 まさか、引っ張って抜いたわけではないでしょうが、確かに簡単に抜けたんだろう。 根っこ、こんなに小さいもんね。
 このコニファーはお庭の真ん中あたりにあったはずです。 デッキを作ったときに邪魔になって、下部の枝は落とし、上の方だけ緑が残っていたのでしょう。 横たわる姿は 「マッチ棒」 風。
 Nさんちも含め、自宅のある辺りは、10数年前に新しい住宅街として家が建ち始めた場所です。 で、当時は 「ゴールドクレスト」 をはじめとして、コニファーを植える家が多かった。 人気の樹種でした。
 そして、時は流れ、ゴールドクレストさんたちは、今。 
  思わぬ大きさに成長し、家に覆いかぶさったものもあれば、まっすぐ伸びるはずの枝が斜めったりなんかして。 
 みんな背が高くなってるけれど、自然に伸び伸び育ったもの、本当に少ない。
 私たちが思い浮かべる一般的な 「木」 っていうのは、大きくなったら上部に枝がわーっと広がって、地面に近い場所には太い幹が1本。
 でも、コニファーは違うのよ。 多くのものは、地上部に近い場所から三角形になるのが基本の形。 つまり、大きくなるにつけ、地上部に近い部分はどんどん面積が広くなる。 
  ということで、困って下部の枝を落としていくお宅も多いのです。
 が、背が高くなって、上部だけもこっと茂ったコニファーは、あまり格好いい姿にはなりません。 意図的に作ったトピアリーは別として。
 コニファーはやっぱり、自然樹形が美しいのよね。 下部がどーんとして、上に向かって細くなってくのが。
 木を植えるときには、10年後、20年後にどのくらい大きくなるかをよく考えて、場所を決めなければ。 10年経過した住宅街を歩いて、改めてそう思いました。