カロライナジャスミン

 「窓を、つる植物などで覆いたい」 と言われたら、落葉性(冬には葉っぱがなくなるもの)、または、冬になったら撤去する1年草の草花や野菜を勧めます。
 たとえば 「つるバラ」 「朝顔」 「風船カズラ」 「ゴーヤ」 「ヘチマ」 ・・・ などなど。
 人目を遮ったり、暑さを和らげたいということで、いわゆる 「緑のカーテン」 を仕立てるのは省エネ効果がある上に景観アップにもつながりますから、そりゃもう、はりきってお手伝い致します。
 しかし中には、人目を遮るのが第一の目的ということで、常緑のものを希望される場合もあります。 年中、葉っぱで窓を隠したい。
 気持ちはわかりますが、冬もモサモサの葉っぱが窓を覆うと、室内に光が入らなくて暗かったり寒かったりするので、できれば避けた方がいいかな、と思います。
 そんなときは、つる植物にこだわらないで、鉢植えの樹木を窓の前に置いたりすれば、ふんわりと視界が遮られて、意外にいい目隠しになるもんです。
 ということで、窓辺じゃないところに這わせるのがいいんじゃないかと思う、常緑のつる植物。 黄色い花が満開のこちらは、「カロライナジャスミン」 です。
 このお宅では、門柱に覆いかぶさって咲いています。 ボリューム満点ですね。
 カロライナジャスミンは 「ジャスミン」 と付いていますが、じつはジャスミンの仲間ではありません。 「マチン科」 という科に属する植物。
 “カロライナ州に多くみられる、ジャスミンに似た香りがする植物” っていうようなネーミングかと思われますが、実際は、鼻を近づけてみても、ほとんど香りを感じません。
 本当のジャスミン類は香りが強いので、「きつい香りが苦手」 という人には、逆に使い易いかもしれませんね。
 冬に寒さに当たると、葉の色が紫っぽくなったり少なくなったりするけど、関東以西では冬に枯れてしまうようなことは、まずない。 強い植物です。  
 さて、このカロライナジャスミン。 ひとつだけ注意してほしいことがあります。
 先述しましたが、「ジャスミン」 じゃないので、「ジャスミンティーにして飲もう」 なんてことは、決して思ってはいけません。
 有毒植物なんですよ。 観賞用の植物として、触れたり剪定しても害はありませんが、飲んだり食べたりしてはダメ。 中毒を起こす危険がある、ということを知っておいてくださいね。