西のもの

niwazou2012-11-13

 帰省時にお土産を買うとき 「せっかくだから岡山にはまだ出店してないものを」 と思うのですが、これがなかなか難しい。
 きょうび、おいしいものや話題になったものはどこでも簡単に手に入る。 結構、考えて買って帰ったつもりなのに、手渡しててみると、
 「ありがとう。 これ、最近××でも買えるようになったのよー」
 ・・・ ( ̄□ ̄;)!! ええっ。  なんてことも、しばしば。
 ネットですぐ買えるし、決まった場所でしか手に入らないものって少なくなりましたよね。
 しかし、ナマモノは別。 野菜も果物も魚も、流通の関係で東日本と西日本では手に入る種類に違いがあります。
 たとえばこの 「イチジク(無花果)」 ですが、見たことあります? 福岡県産の 「とよみつひめ」。 
 小ぶりでとってもおいしいイチジクで、あんまりイチジクを好きでない父が、あっという間に1パック食べてしまったという逸品です。
 東京で買うイチジクの種類は主に愛知県産で、種類はせいぜい日本イチジクか西洋イチジクか程度の区別ですが(買うのは近所のスーパだし)、岡山では九州産のものが結構入っています。
 プツプツ感が少なくて、皮がつるんと剥けて、小さくて食べやすく、平均糖度は17度以上あるらしいのにさっぱりと甘い。
 とまあ、今のところ私の中ではベスト・オブ・イチジクなんですが、デパートや有名な果物やさんは別として東日本ではそうそう出回っていないと思われる 「西のもの」。
 さて、もうひとつ西のナマモノ。
 なんてことない普通の 「木」 ですが、これは父が春に九州に行った折、鹿児島から送ってもらった苗木だそうで、名前は 「イッペイ」 。
 「知らんだろう、イッペイ」 と得意げに言われるとちょっとカチンと来るけど、確かに聞いたことのない名前。 黄色いきれいな花が咲いていたんだそうです。
 どんな漢字をあてるのだろう、順当に考えれば一平? もしかしたらなじみのある木の俗称もしれないけど。
 葉っぱだけの1mほどの姿ではまったく思い当たりませんから、やっぱり調べてみました。
 学名は Tabebuia avellanedae Lorenz 
 タベブーイアと読むのかしらね。 ブラジルの国樹で、沖縄には街路樹なんかにも使われてるらしい。 暖かい地域の木なのですね。
 お花は3〜4月で、桜と同じようにまず花が咲いた後、葉が出る。 春を告げる花木です。 「黄色いトランペット状の花」 を見たい方はこちらを。
 こんなのが満開になったら、それは見応えがありそう。 
 まだうら若き20代の秋、旅先の北海道で真っ赤な 「ナナカマド」 の街路樹に魅せられた記憶がよみがえってきました。
 父が思わず苗木を手に入れた気持ち、わかる気がします。