カクレミノの葉
いつもの動物病院です。
1年ちょっと前にてんかんになって以来、毎日「抗てんかん薬」を飲んでいるみかんちゃん。 月に一度は薬をもらいに病院に来ます。
・・・ 毎月のことだというのに、病院は苦手。 中に入ると同時に、帰ろうとする。
今日も落ち着きなく、乗ってきた車を見つめています。
さて、写真では見えませんけど、みかんちゃんの目線の先にはこんな木があります。
隣の建物の脇に植えられているこの木は 「カクレミノ」。 他の木では無理、というような日陰でも育つ、庭で重宝に使える木です。
うなだれた黄色い葉っぱが目立っていて元気がなさそうに見えますが、これは弱っているわけではないのですよ。 いま、新芽が出てくる時期なんです。
カクレミノは 「常緑樹」 です。 サクラやモミジのように、秋に紅葉して冬に葉っぱを全部落す「落葉樹」 と違って、1年中緑の葉がついている木。
しかし、もちろん一生同じ葉がついているわけではなくて、適宜、古い葉を落としているわけですが、その適宜が今なのです。
常緑樹の多くは、毎年、新芽の出てくる時期に古いものがこんな風に枯れ落ちていくのです。 一斉に葉を落とす落葉樹ほど目立たないけど。
カクレミノは漢字で書くと「隠蓑」です。
名前の由来は、葉っぱの形です。 深い切れ込みの入った形が昔の雨具の「蓑(みの)」に似ているところから付いたようですが、今は逆に、葉を見て 「蓑ってこんな形なのか」 と想像する感じでしょうか。
でも左の写真を見ると、葉に切れ込みなんて入ってませんよね。 落葉寸前の黄色い葉はふつうに楕円形の形をしています。
カクレミノの葉は成木になって枝が太くなると、切れ込みのない葉が出てくるようになります。 葉の形が変わったからといって、木の生育が悪いわけではありません。
でも切れ込みの入った葉こそがカクレミノの特徴で、再び切れ込みの葉にしたい、っていうときは、若い枝を切り戻して(4〜6月が適期。今です) 新芽を出させるといいです。
あまり太い枝を切ると新芽が出ない場合もあるので、注意。 いい状態を保ちたいなら植えっ放しはダメで、適宜、剪定をすることが大事ということですね。
右は、日本家屋の玄関先にあるカクレミノ。 切れ葉がきれいで風情があります。