底面給水鉢のこと
アフロヘアみたいになっちゃってる、このピンクの植物は 「エリカ」 です。 「エリカ・ダーレンシス」。
この鉢、あーんと開けた 「口」 みたいなのがついておりますね。
写真ではわかり辛いけど、これ模様じゃなくて、穴が開いています。
何のための穴かというと、お水を、ここからあげるんです。
初めて見る方は、なんじゃそれっ? とお思いのことでしょうが、冬にお部屋に置く鉢花なんかには、よく使われている鉢なんですよ。
ふつうの水遣りは、上から根元にお水をあげるもんですが、これは、貯めたお水を、下から吸い上げてもらうようになっているのです。
そのからくりは、こんな風。
じつは、鉢は二重になっていて。
口のついてる外側の鉢は、底には穴が開いてなくて、内側の緑の鉢は、お尻になんかついております。
このペロンとついてるのは 「不織布(ふしょくふ)」 。 家庭科の授業で出てきたはずだけど、今なら、マスクなんかによく使われてますよね。
下にためたお水を、毛細管現象で、不織布が吸って、土がいつもじんわり湿った状態にする、そんな構造なんです。
外側の鉢には、いつもお水がたまった状態にしますが、内側の鉢には足がついていますから、鉢全体がどっぷり水に浸かることはありません。 そこが 「腰水」 とは違っています。
不織布が吸った分だけ、浸みていくんです。 だから、「根腐れ」 の心配は、まずないです。
しかし、気をつけねばならないのは、「底面給水しながら上からも水やりする」 という、ルールを無視した水遣りです。
いつも湿ってる土に、上からバシャバシャ水かけたら、これは完全に、水が多すぎ。 過ぎたるは及ばざるが如しです。
「エリカ」 は、根が細かく、乾きに弱い植物なので、底面給水にしとくと、ちょっと安心なのですが、外に置く場合は、この鉢だけ底面給水、っていうの、たぶん、水遣りのとき面倒くさい。
この方法なじまないわー、という場合は迷わず、ふつうの鉢に植え替えて、上からお水をやりましょう。
乾きに弱い、ということを思い浮かべながら、たっぷりやりましょう!