基本、踏んじゃダメだけど

niwazou2010-04-01

お庭の相談を受けているとき、お客様から、
   「踏んでもダイジョウブな草を植えたいんだけど」
というような要望を聞くことがあります。
 地面をコンクリートで固めたり、レンガを敷いたり、というのはしたくないけど、土面は隠したい。 雑草を生やしたくないけど、その上を歩いたりしてもダイジョウブな感じにしたいの ・・・
要約すると、そういうようなことですね。
 気持ちはわかります。
 しかし、結論から申し上げますと、踏んでもダイジョウブな草、っていうのはありません。 だって、植物なんだもん。 生きてんだもん。
 冷静に考えてみると、「踏まれても踏まれても、ピンと立って元気です」 なんて、ありえないでしょう。 
 「じゃあ、芝生はどうなの?」 という声が聞こえてきそうですが、芝生だって、何度も同じところを踏んでたら傷みます。 ハゲます。
 だから、庭に芝を使いたい場合。 毎日、決まって踏む場所には、あらかじめ石やレンガや、硬いものを敷いておくのが賢明です。
 庭園などで美しい芝生の周りには、「立ち入り禁止」のロープが張られてたりするでしょ。 踏まれたらまずいからです。
 そういうわけで、いつも踏む場所を緑で保つというのは、一般家庭の庭では至難の業。
 しかし。 植物のなかにも、踏まれることに対して、やや耐性をもつものは、あります。
 強引に分類するならば、「A.踏むと傷むけど頻繁に踏まなければ、枯れない」 「B.基本的には踏んだらダメだけど、時々踏むくらいなら、何とか立ち直る」 というようなタイプ。
具体的には、Aは 「コウライシバ」「ノシバ」のような、日本で一般的な芝。 ほかには、「ホワイトクローバー」 とか 「リッピア」 のような、雑草系の植物があります。
 そして、上のピンクの花をつけているのは、それらよりちょっと弱い、タイプBで、「タイム」です。 そう、ハーブの。
 品種名は 「マジックカーペット」 といい、這うように広がっていくタイムです。
 実際に、どんな場所に向いてるかというと、お庭に敷いたレンガの目地、とか、小道の縁取りとか。
 塀の際とか、雑草の生えて欲しくない隙間に植えられている 「タマリュウ(玉竜)」 なんかと同じように扱えると思います (左写真)。
 踏んだら、ぺちゃっとなりますけど、ときどき踏んでしまっても、立ち直るだろう。 そんな感じ。
 葉の厚みとかから言って、タマリュウよりちょっと弱いかもしれないけど、こうした、いわゆる 「グランドカバー植物」 も、お花が咲くと可愛いい。
 このタマリュウの代わりに、タイムが植わっているところを想像すると ・・・ 雰囲気が明るくなりますよね。