ミミズも、ときには暴れます
たいへん地味な写真ですが、これは11月末の、あるお宅の芝生です。
もう、生育時期は終わろうとしていますから、枯れ葉が目立ってきているのは自然なことです。
この芝の種類は「高麗芝(コウライシバ)」。 日本の気候に合っていて、昔から一般的に使われている芝。 冬になると生育を止めて、枯れる芝です。
つい最近まで、手入れが行き届き、青々と目にまぶしかったのですよ、こちらの芝生。
ところが、2〜3日前、ある日突然、こんなになちゃってました。 芝のところどころに、点々と見える土。
これ、どアップにしてみると。
ピンボケなんですけども。 1センチよりは大きいけど、それほど大きくない穴があいてて、穴の横には、つぶつぶっとした土のようなものが、小さく山積みになっています。
これはですねー、じつは、ミミズの「フン」なんですのよ。
日中、土の中で活動していたのが、夜間に地面にフンを出していった、という図。
じつは、ミミズの生態にはぜんぜん詳しくないので、ちょっと不確定な情報だけど、この時期、ミミズは産卵期。
土の中に産卵して、その後、親は死んでしまうんじゃないかと思うんですが・・・そんな10〜11月に、なぜか、この現象がよく見られます。
このフンの山を「ミミズ塚」と呼ぶんだそうで、雨の後とか、ちょっと湿ってるところに、よくできるらしい。
で、自分んちの芝生が、一夜にして、こんなになってしまったらどうする? ってことなんですが。
基本的には、ミミズがいるってことは、土の状態がよいということで、自慢していいくらいです。
だから、芝は茶色くなる一方のこの時期、別に土が見えてもいいや、とおおらかに受け止められる方は、そのまま放置してても問題ありません。 春になって新芽がでてきたら、隠れていくでしょう、たぶん。
ただ、やっぱり見かけはよくない。
こんなのがまんできないーっ、という方もいらっしゃるでしょう。
いったん治まっても、春〜秋に、また同じような事態が起きたら、芝刈りをしても、そこだけハゲたみたいになって、芝の目がつまりません。
そうなったら、ミミズを駆除するしかありません。 かわいそうだけど。
市販の薬 (例えば「スミチオン」など) を使って、消毒です。
ミミズの働きをとるか、美しい芝生作りをとるか・・・どちらを優先するのか、難しいところですよね。
さて、ミミズ塚のようなことがなければ、ミミズはお庭の宝物ですから、こんな悩みが起こらないように、できることをして、予防に努めるに越したことはありません。
まず、有機肥料の使いすぎには注意です。 ミミズが増えやすいからです。
何でも「有機」流行りの昨今ですが、芝生の場合は、化成肥料を中心にした方が、よいかもしれませんね。
さらに、その前に。 肥料そのものは、必要に応じてあげること。
芝生に限りませんが、肥料は、あげればよいというものではありません。 肥料の乱用は、人間の暴飲暴食に似ているかもしれません。
様子を見ながら、必要なときに、必要なだけあげましょうね、肥料。